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食品業界のAI活用方法を、事例8点を交えてご紹介

近年、AIの進化はさまざまな業界に変革をもたらしています。食品業界においても、より豊かな食生活を実現するためにAIの活用を目指す動きが増えてきました。また、世界的にみても食料廃棄率の高さは大きな問題となっており、食品企業が果たす社会的な役割についても注目度が高まっています。 今回は、食品業界におけるAIの活用方法について、8つの事例を挙げながら解説します。食品業界が抱える課題を解決するヒントとなりうる領域なので、是非参考にしてください。

  • 食品業界でのAI活用領域

    食品業界において、AIが活用されている領域は主に2つです。

    AIによる需要予測

    AIによる精度の高い需要予測と、それにもとづく廃棄ロスの削減には大きな注目が集まっています。

    近年、食品業界で問題となっているのが廃棄ロスの多さです。環境問題なども相まって、食品の廃棄に対する風当たりは強くなっています。また過剰在庫による廃棄が発生すると、生産にかかった原価や処分費用がムダになってしまうため、企業収支に大きな影響を与えかねません。

    AIを活用することで、過去の膨大なデータをもとにした精度の高い需要予測が可能となります。その結果、生産計画や在庫管理の精度も向上し、廃棄ロスの大幅な削減につながります。

    AIによる外観検査

    商品の生産後に欠かせないのが外観検査です。出荷した商品に汚れや異物、不良部品が混ざっていれば、企業としての信頼を失いかねません。

    従来であれば、商品の外観を目視でチェックしながら、必要に応じてルーペや顕微鏡による検査を実施する必要がありました。しかし、不良品率を下げるためには膨大な時間と人手をかける必要があるため、企業にとって大きな負担となってきました。

    そこで注目されているのが、AIによる外観検査の自動化です。画像認識の技術向上により、過去の検査データをもとにした高精度の外観検査が可能となってきました。

    少子高齢化により人手不足が深刻化するなか、人件費や作業時間を大幅に削減できる「外観検査のAI化」には大きな注目が集まっています。

  • 食品業界でのAI活用事例8選

    食品業界において、実際にAIが活用されている事例を8つ紹介します。

    1. 回転寿司の鮮度や需要予測のAI化

    大手回転寿司チェーンにおける、ビッグデータをもとにした鮮度や需要予測の事例です。

    回転寿司チェーンの経営においては、人気のあるネタの把握や廃棄率などを分析することで、品薄による機械損失や作りすぎによる廃棄を削減することが重要です。しかし、顧客数や皿数の多い回転寿司において、データを即座に分析して活用するのは簡単ではありません。Excelなどによる人的な分析には限界があるでしょう。

    そこで、ある大手チェーンではAIによって過去数年分のビッグデータを分析し、最適な供給量になるようコントロールする仕組みを構築しました。すべての皿にICタグをつけて管理するほか、店内の混雑状況や平均利用時間などを分析することで、数分後の需要を的確に予測することが可能となります。

    AIの導入によって需要に合った商品提供や廃棄ロスの削減が可能となり、収支の改善に大きく寄与しました。

    2. 官民連携でのAIによる需要予測

    ある自治体では、官民連携によって食品ロスの削減に取り組んでいます。食品ロスの削減においては、需要予測の精度を高めることがもっとも重要です。そこで、AIを活用した需要予測が導入されることとなりました。

    卸や小売、メーカーなど食品の流通にかかわる企業の売上と在庫、さらに天候やイベント情報なども加味し、食品の需要予測を行ないます。さまざまな要素が複雑に絡み合うため、人間による分析では処理しきれません。

    特に、最新のシステムなどが導入されていない中小企業においては、市場動向などを細かく把握できていません。中小企業も活用できる仕組みを作り、自治体全体における食品の廃棄ロスを削減すべく、試験的な運用が開始されています。

    3. 販売動向と気象データのAIによる紐づけ

    食品の需要は、天候によって大きく変動します。冬に気温が下がれば温かい食べ物がよく売れ、夏に気温が上がれば氷菓や冷たい食べ物の需要が高まるでしょう。しかし、すべての商品に対して販売動向と気象データを紐づけるのは簡単ではないため、AIの活用が注目されています。

    過去の販売データと日別の気象情報をビッグデータとしてAIに蓄積し、機械学習を重ねることで、気象条件に合わせた高精度の需要予測が可能となります。AIによる迅速な処理が可能であるため、最新の天気予報をもとにした臨機応変な対応がとれるようになりました。

    欠品による販売機会の損失や売れ残りによる廃棄ロスを最小限に留められる、効果的なAIの活用法だといえます。

    4. AIによる豆腐の検品自動化

    ある機械メーカーでは、AIが豆腐の検品を行なうことで、従来の10倍のスピードで検品が実施できるシステムを開発しました。

    外観検査によって豆腐の割れや欠けを見つける作業は集中力を要するため、連続した作業が難しいという課題がありました。画像認識技術の向上により機械での検品が可能となったことで、必要な人手や人件費が大幅に削減されたほか、人間による目視での検品よりも精度が向上しています。

    AIの導入によって、コスト削減・作業効率アップ・品質向上という3つのメリットを生み出した好事例だといえるでしょう。

    5. AIによる異物除去の精度向上

    ある水産食品メーカーでは、海老の殻剥き工程における廃棄ロスの多さが課題となっていました。

    殻が残っている場合、異物として廃棄する必要があるため、殻剥き後に検品を行ないます。しかし、異物が残っている部分を細かく特定することは難しかったため、「残っている可能性がある部分はすべて廃棄する」といった対応をとっていました。本来は良品として出荷できる商品まで含まれてしまうため、廃棄ロスが膨れ上がる要因となっていたのです。

    そこで導入したのが、AIによる異物除去です。異物がある箇所を細かく特定することが可能となったため、大きな廃棄ロスの削減につながりました。

    6. じゃがいも選別作業のAI化

    大手食品メーカーでは、原料として使うじゃがいもの選別に大きな課題がありました。茶色く変色している場合、品質的に問題がなくても顧客の不安やクレームにつながる可能性があります。しかし、大量のじゃがいもを的確に選別していくことは、人手でも機械による画像認識でも難しいとされていました。

    そこで導入したのが、機械学習によって選別の精度を高めたAIプログラムです。従来は不良品の除去を目的として機械学習を行なっていましたが、良品の抽出という逆のアプローチをとったことで、精度向上につながりました。

    機械での選別であるため、どれだけ作業を続けても精度が落ちることはありません。検査スピードも従来の2倍まで引き上げることが可能であり、品質だけでなく作業効率の向上にも大きな貢献を果たしています。

    7. AIによるジャムの異物検査

    あるジャムメーカーでは、生産したすべての商品に対して目視で検品作業を行なっていたため、作業効率が課題となっていました。そこで機械メーカーと共同して異物検査装置を開発し、作業効率・精度をともに向上させることに成功しました。

    容器に詰める前に液体の状態でコンベアに流し、2秒に1度画像を撮影します。撮影範囲に異物が確認された場合は、ロボットによって都度除去するというシステムです。画像撮影用のカメラも特殊であり、4台の異なる波長を持つカメラを導入することで、異物の検出精度を高めました。

    8. AIによるサプライチェーンの最適化

    ある大手食品メーカーでは、AIの活用によりサプライチェーン全体の最適化をめざすプロジェクトを立ち上げました。

    サプライチェーンとは、原料の調達から生産、市場への流通、消費者への販売といった商品の流れ全体を指す言葉です。サプライチェーンの各工程においても、もちろん効率化は図られています。しかし、各部門にとっての効率化が全体にとっての効率化につながるとは限りません。

    例えば、営業部門であれば顧客からのクレームを避けるため在庫を多く持ちたい、商品開発部門であれば新しい商品を1つでも多く発売したい、生産管理部門や工場であればムダをなくすため生産量は最小限に留めたい、といったように各部署が描く理想像は異なります。

    AIを活用することで、精度の高い需要予測が可能となります。それをもとにしてサプライチェーン全体にとって最適な選択ができれば、個別部門の事情に左右されることなく効率的な事業運営が可能になるでしょう。

    また、世界的に問題となっている食品廃棄の多さは、食品メーカーとしても真摯に取り組むべき課題です。複雑化するサプライチェーンのなかで、廃棄ロスを最小限に留めるためAI技術のさらなる発展が期待されています。

  • 食品業界におけるAIの導入方法:プログラミング不要でAI予測モデルが構築できる「MatrixFlow」

    食品業界においてAIの活用に対する期待は高まっていますが、専門人材の不足によって導入に踏み切れない企業の担当者は多いでしょう。

    MatrixFlowはプログラミング不要のAI構築プラットフォームです。MatrixFlowのアルゴリズム開発は、処理単位のブロックをドラッグ&ドロップし、つなぐだけで構築できます。

    またデータや作成したアルゴリズムの管理など、AI構築に関わるすべての工程を一元的に管理することが可能です。MatrixFlowの開発スキームは業種・業界をまたいで使用できるうえ、開発を続けることで開発ノウハウがブロック、およびその組み合わせのテンプレートとしてプラットフォーム上に蓄積されていきます。そのため、今後のAI開発においてはさらなる開発の早期化、開発費用の低減が期待できます。

    詳細についてはぜひお問い合わせください。

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