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AI外観検査のメリット・実例・実施手順について解説

工場などの製造業において、部品・製品の不良を発見する作業は欠かせない工程です。 傷や欠陥などのある品質の低い部品・製品が混じったまま出荷されてしまうと、大きなトラブルが起こるだけでなく、顧客の信頼を損なうことにも繋がります。 しかし、外観検査は重要な工程にも関わらず、属人的な作業であると言えます。 近年、それを改め「AIによる外観検査を導入しよう」という取り組みが増加しています。 AI技術の飛躍的な進歩、また人の目に代わる映像技術の発展が、AIによる外観検査を可能にしました。 この記事ではAIを外観検査に活用する方法をはじめ、AIを用いた外観検査の活用事例などについて紹介します。

  • AIを活用した外観検査とは

    AIに検査対象物となる部品・製品画像を認識・学習させることで、不良箇所を自動で検出する仕組みをAIによる外観検査と言います。

    従来の方法では、人が画像に対しての正解を用意し、設定することでモデルを構築していました。しかし、現在は、自動的に不良個所の特徴を捉えてアラートを出すことが可能です。

    「人の目で判別できるから、AIでも判別できる」のではなく「人の目では判別できないものですら、AIには判別できる」という時代に変化しています。
    部品・製品の表面に傷があるかないか、という単純なジャッジだけではなく、人間が認知・検出できる範囲を超えた識別が可能です。

  • AIが外観検査を行う6つのメリットとは

    では、AIを外観検査に活用することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。
    以下、6つのメリットについて紹介します。


    ■人材不足を解消できる
    昨今の少子高齢化により、製造業をはじめとした各業界では人材不足が叫ばれています。
    人材不足を解消するために、作業の効率化は欠かせません。
    そのためにAIが注目されています。
    検査員に負担のかかる外観検査の作業が効率化されることで、ほかの仕事を行うことが可能になります。
    また、AIを活用した外観検査が導入できれば、たとえ人材の集まりにくい地域であったとしても、外観検査を行うことができるようになります。

    ■属人化していた基準を均一化して品質向上
    検査を行う作業員の熟練度には差があります。
    熟練度だけではなく、作業員の体調やマインドによっても、その品質は左右されてしまいます。
    そうした差が、品質を一定に保つことの妨げになっていました。
    しかし、AIによる外観検査を導入すれば、そうした不安定さからは無縁になります。

    熟練の検査員が検出するレベルをAIに学習させることで、高い精度で外観検出を行うことが可能になります。
    また、高画質な画像センサーを搭載できれば、以前よりももっと細かな不具合が検出できるようになるでしょう。

    ■ヒューマンエラーを防止できる
    AIを外観検査に活用することで、ヒューマンエラーを最小限に抑えることができます。
    なぜなら、人と異なり「見落とし」がないからです。人の場合、注意力が散漫になったり、集中が途切れたりすることで、どうしても見落としが発生してしまいます。
    また、初歩的なミスを犯すこともあるでしょう。

    不良品を見落とすことにより、不良品を創り出した原因の特定が遅れるだけでなく、出荷した部品を回収するコスト・手間などがかかってしまいます。顧客からの信用を失うこともあるでしょう。
    AIによる外観検査の場合、そうしたヒューマンエラーからは無縁です。

    ■検査スピードが向上
    日々工場では、大量の部品を製造しています。そのため、生産のスピードに対して同等の検査スピードが求められます。しかし、充分な検査を行うためには、時間がかかります。急いで検査をしようとすると、気が焦ってしまい丁寧な外観検査を行うことができません。

    しかし、AIを活用すれば、作業員の目視によるチェックに比べ、速く検査を実施できます。
    それだけでなく、先に述べたように高い精度で異常を検知することもできます。

    ■長時間休みなく稼働できる
    作業員の場合、労働時間が法律によって定められているため、長時間の外観検査ができません。
    AIと異なり、人は長時間働くと疲労が蓄積されます。
    能率が落ち、時間がたつほどに外観検査の精度は落ちていくでしょう。
    また近年、働き方についても改革が進んでいるため、作業員が長時間労働を行うことは現実的ではありません。人材不足の中、負荷の大きい作業を行うことで、従業員の退職リスクは高まることが予想されます。

    一方、AIの場合は、疲労が溜まることもなく、製品の品質をキープすることが可能です。

    また、気温が低かったり、クリーンな環境が必要だったりと、人が外観検査を行うのに適していない環境であっても、問題なく外観検査を行うことが可能です。

    ■新商品に対しても応用可能
    学習機能を備えたAIであれば、新しい部品・製品などが登場した場合においても、柔軟に外観検査を行うことができます。

    従来は、新商品が出るたびに、不良個所を判別するためのルールを作成しなおす必要がありました。そのルールの作成には、熟練した作業員の時間・労力を必要としていました。

    世の中のトレンドの移り変わりは早くなり、以前のように同じものを大量生産する時代ではなくなっています。
    人々の多様なニーズに応えるため、新商品が登場するサイクルは早くなっていると言えるでしょう。
    そうした変化に対応するためにも、AIによる外観検査は有効だと言えます。

  • AIによる外観検査が活用できる事例8つ

    AIによる外観検査が活用できる事例8つについて紹介します。

    ■食品・パッケージ
    食品そのものの変色や異物の検出に限らず、パッケージの異常についても検知可能です。
    AIの外観検査は、パッケージの小さな穴を見つけるだけでなく、パウチの圧着などの密封不良の検査にも対応しています。

    原料処理から製造、加工、包装、保管に至るまで、すべての工程にAIによる外観検査が活用できると言えるでしょう。

    また、従来の技術では難しいとされていた異物の検出の精度が高くなっています。食品本来の形状や性質による異物に似た形状と、異物そのものを区別して判定することも可能になっています。

    ■衣類
    衣服の生産工場においては、染色ムラ、濃淡、織の不良、布地の破れなどについて検査を行うことが可能です。
    見本があったとしても、繊細な色合いの違いなどは、目視によるチェックでは限界があります。
    AIを活用することで、不良品が市場に出回ることを防ぎ、企業のブランドイメージを守ることができるでしょう。

    ■金属製品
    金属製品の場合、完成するまでに鋳造のみならず、プレス・切削・整形・研磨・メッキ・塗装などの各工程が存在します。
    その工程ごとに細やかにAIによる外観検査を実施することで、より無駄なく生産することが可能となります。
    傷の大きさ・形状など、パターン化できない瑕疵についても、ディープラーニングという機械学習の手法を使用すれば、対応することができます。

    また、金属製品の中でも、アルミニウムなどの合金を金型内に入れて成形する鋳造品(ダイカスト製品)は、その複雑な形状から、人による検査が難しいと言われてきました。
    人が目視によってダイカスト製品の検査を行う場合は、徹底した教育が必要となります。
    そうした複雑な形状の部品・製品についても、AIはスピーディーに漏れなく外観検査をすることが可能です。

    ■電子機器
    電子機器の場合、その形状の不良だけでなくハンダ不足の部分についても検出できます。
    汚れや異物の付着だけでなく、ショートや断線についても検出が可能です。

    ■精密機器
    精密機器の不良のパターンは多く、目視による外観検査の作業は困難と言えます。
    非常に小さな部品の場合、光の反射が邪魔になったり、傷・埃の区別がつかなかったりすることもあります。
    しかし、AIによる外観検査の場合、0.001ミリまでの異常を精度高く検出することができます。

    精密製品に含まれる医療機器など、人命にかかわる製品については、より厳密な検査が求められます。そうした面でも、見落としのない精度の高いAIの導入は急務と言えるでしょう。

    ■ゴム製品
    原材料を配合する際に、一番注意しなければならないのは異物の混入です。
    製造機器の塗装剥がれなど、小さな異物についても、AIによる検出が可能です。

    ■合成樹脂(プラスチック)製品
    プラスチックはその加工の簡単さ、軽さから大量に生産されています。
    工場を昼夜問わず稼働させたいというニーズが高いものの、生産のボトルネックとなっていた要因の一つが、外観検査でした。
    扱いやすい反面、反りやすかったり、歪みやすかったりと、形状の検査が難しい特性がある素材です。こうしたプラスチックについても、AIの外観検査が活用可能です。

    ■複層ガラス製品
    複層ガラスは気泡・キズ・コーディングの不良など、様々な検査項目があります。
    そうした項目をAIに学習させることで、人の目視では困難であった外観検査を瞬時に行うことができます。こちらは、検査時間が大幅に削減されたという実績があります。

  • 外観検査の実施手順

    外観検査は、検査結果のバラつきを防ぐため「外観検査基準書」を作成してから実施します。
    外観検査基準書を作成することは、AI導入の一助となります。
    まず、どのような構成で外観検査基準書を作成するのか、流れを簡単に説明します。

    1.検査項目を定義する
    まずは、検査項目を定義しましょう。
    製品・部品によって多少異なりますが、「製品の機能」「顧客要求」「法規制」などの観点を考慮する必要があります。
    機能・顧客の要求を満たせないものを「不良」として判定します。

    2.外観検査の具体的な方法
    外観検査には「目視検査」と「自動検査」の2つがあります。
    文字通り、目視は人の目による検査です。自動検査は、カメラや画像センサーなどを用いた画像処理システムを活用し、自動で検査を行う方法です。
    以前はこの「自動検査」の精度が低かったため、実施後の対象ロットからいくつかサンプルを抜き取って検査をしていました。
    ほかに、「検査の頻度」「測定器」などの項目を記載しましょう。

    3.検査員の技能
    検査に特殊なスキルや技能が求められる場合には、認定を受けた検査員だけが検査を行う必要があります。
    「外観検査基準書」には「検査員の資格」などの項目も記載しましょう。

    4.管理図による管理方法
    定量化することができない項目については、計数値を管理する管理図を用いて品質管理を行う必要があります。
    計数値管理図の主な種類であるnp管理図・p管理図・c管理図・u管理図を活用しましょう。

    5.不良品が出た際の処置方法
    不良品が発生した場合において、具体的にどのような処置をするのか、その手順を項目に記載します。
    「不良品を保管するのか」「それとも手直しするのか」だけでなく、どうやったら「手直しできるのか」という点も記載しましょう。

    具体的なAIの外観検査の導入方法については、経済産業省「AI導入ガイドブック」に具体的な手法が掲載されています。
    ※無料で閲覧が可能です。

    こちらの資料では、企画(導入範囲決定・機材見積)、モデル構築(データ取得・モデル構築・最適化)、導入・運用までの全体像を把握することができます。

  • プログラミング不要でAIを構築できる「MatrixFlow」で外観検査ができる

    AIによるモデル構築には、高度な専門スキルが必要だと思われがちです。
    しかし、現在はドラッグ&ドロップをするだけで、誰でも簡単にAIを使いこなすことができるツール「MatrixFlow」(マトリックスフロー)があります。

    データの管理や、作成したアルゴリズムの管理など、AI構築のすべてを一元管理することが可能なプラットフォームです。
    プラットフォーム上にノウハウが蓄積されていくため、学習とフィードバックを繰り返すことで、予測の精度は高まっていきます。
    画像認識もできるため、AIの外観検査にも活用が可能です。
    ぜひ、詳細はお問い合わせください。

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