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マーケティングへの機械学習の適用方法・事例をご紹介

近年は機械学習(Machine Learning:ML)が大きな進化を遂げており、マーケティング分野にも数多く利用されています。Webサイト上のチャットボットによる顧客対応や、自動で最適な広告枠を入札するプログラマティックバイイングなど、従来は人手で行なっていた作業や、人では対応しきれなかった領域に機械学習が活用されているのです。 また、日常生活においてもほとんどのスマートフォンには音声アシスタント機能が搭載されています。文字を入力せず音声認識によって調べものをする人も増えており、今後はAI音声アシスタントがマーケティングに直結してくる可能性は高いでしょう。 AIや機械学習のマーケットは飛躍的な成長を遂げており、生活や仕事において活躍する機会が増えています。つまり今後のマーケティングにおいては、機械学習をいかに活用できるかが大きなカギを握ります。 本記事では、機械学習をマーケティングに適用する方法や実際の活用事例を紹介します。今後マーケターの仕事がどのように変化していくのか、押さえておきたい方はぜひ参考にしてみてください。

  • 機械学習が活用できるマーケティング:8つの領域

    すでに機械学習の活用が始まっているマーケティング領域として、以下の8つを紹介します。


    1. 音声検索を活用したパーソナライズ

    スマートフォンやテレビなど、日常で使うさまざまなデバイスには近年音声検索機能が搭載されています。それに伴い、より多くの人が生活のなかで音声検索を利用するようになっています。つまり、AIによる音声アシスタント機能には、ユーザーの好みや行動パターンといった貴重なマーケティング情報が蓄積されていくということです。

    音声検索と機械学習を組み合わせることで、ユーザーにパーソナライズした商品・サービスの提案が可能になるでしょう。

    2. サイトデザイン・UXの改良

    Webサイトの運営において、重要なのがサイトデザインとそれによるUX(ユーザーエクスペリエンス)の最適化です。従来は、サイト開発者の知識や経験、分析をもとにWebサイトを作成していたため、開発者のスキルによってサイトの良し悪しが決まる状態でした。

    サイト上におけるユーザーの動きをデータ化したヒートマップや、訪問したユーザーがたどった経路などの情報をもとにAIに機械学習させることで、より成果につながるサイトデザイン・UXへと改良できます。機械学習を活用することで、経験の少ない開発者でも実際のユーザーデータをもとに常に最適な状態に保つことが可能となります。

    3. マーケティング活動の最適化

    機械学習にマーケティング活動全般のマネジメントを任せるケースも増えています。例えば、Eメールによる顧客へのアプローチをどのようなタイミング・内容で行なうのかや、検索エンジン・SNSでの広告キャンペーンをいつ投下するのかなど、さまざまなマーケティング施策を組み合わせたうえで最大の成果が出るよう最適化します。

    人によるマネジメントでは、すべての状況を俯瞰的に把握することが難しかったり、個人的な経験に頼った判断をしてしまったりするでしょう。機械学習を活用したマーケティングオートメーションにより、客観的・合理的な判断によってマーケティング予算を効率よく投下できるようになります。事業にとって重要なKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)さえ設定すれば、複合的な要素を勘案したうえでAIが最適な判断を下します。

    4. メディアバイイングの自動化

    媒体社から広告枠を購入するメディアバイイングにおいても、機械学習による自動化が進んでいます。過去の広告投下実績や候補となる広告枠を購入した場合のマーケティング効果などを機械学習によって予測し、最適なメディアバイイングを計画します。

    メディアバイイングの自動化により、広告担当者は広告枠の検討に割いていた時間を大幅に短縮できるため、本来費やすべきクリエイティブな作業に集中できるはずです。

    5. メールによるアプローチの最適化

    顧客に送るEメールについても、マーケティングの観点で機械化が進んでいます。従来であれば、主なターゲットユーザーを設定したうえでメールの内容を作成し、同じものを同時に送るのが一般的でした。

    機械学習を取り入れることで、メールの内容や送るタイミングをパーソナライズすることが可能です。データをもとにユーザーごとに最適な内容に調整したり、反応が得やすいタイミングで送信したりといったアプローチの最適化が可能になります。

    6. SEO分析の自動化

    検索エンジンからの集客を目指すSEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)においても、機械学習が活躍します。近年、機械学習機能を備えたSEO分析ツールが増えており、それらを活用することで対策すべきキーワードの選定やドメインパワーを上げるためのリンク施策など、最適なアクションが自動で導かれます。

    SEOについては情報が複雑化・高度化するなかで、人間の知能によって最適解を導くのが困難になりつつあります。検索エンジンの最大手であるGoogleのアルゴリズムは多岐にわたる要素で構成されているため、AIや機械学習による分析を取り入れなければカバーしきれません。

    また、SEO分析に機械学習を取り入れることで、分析に要する時間が短縮され、コンテンツ作成など本来Webサイト運営で重視すべき作業に集中できるようになります。

    7. ショッピング体験のパーソナライズ

    機械学習をマーケティングに取り入れる際、大きな効果を発揮するのがパーソナライズです。多くの消費者は、自身の好みやニーズに合っていないショッピング体験に不満を感じています。

    機械学習やAIの活用によって、それぞれの消費者に対して最適なタイミングで最適な商品・サービスを提案することが可能です。その結果、すでに顕在化しているニーズだけでなく消費者本人も気づいていない潜在ニーズも掘り起こせるでしょう。例えば、カートに入っているアイテムや過去の購入履歴をもとに「たしかにこれも必要かも」と感じさせる商品を提示すれば、追加購入が見込めます。

    機械学習・AIの活用によってリピート率や消費者1人あたりの購入単価を改善できれば、事業に大きなメリットをもたらします。

    8. AIチャットボットによる顧客対応

    AIチャットボットによってWebサイトを訪れたユーザーの疑問を瞬時に解消できれば、ユーザー体験が大きく向上します。お客様相談センターに問い合わせたものの、土日祝や営業時間外だったため対応してもらえなかったという経験は誰にでもあるでしょう。

    問い合わせ内容に含まれる言葉から必要な情報を検索し、瞬時に回答するAIチャットボットなら、24時間365日の対応が可能です。瞬時に回答が得られることで、問い合わせた顧客にムダなストレスを与えることもありません。

    また、営業時間内であってもすべての顧客対応を人手で行なうのは効率がよくありません。ほとんどの問い合わせは、決まった回答パターンで対応できるものです。チャットボットにパターン化されたやり取りを代行させることで、担当者はAIでは対応が難しいより複雑な案件に集中できます。

    チャットボックスによる機械学習を重ねることで、さらに複雑な問い合わせにも対応できるようになるでしょう。そのためには、質のよいデータを大量に読み込ませることが大切です。

  • 機械学習をマーケティングにおいて活用した事例6選

    ここからは、企業において実際に機械学習がマーケティングに活かされた例を6つ紹介します。


    1. ホテルレビューの分析

    ある海外のホテルグループでは、ホテルレビューをAIに分析させることで競合他社との差別化ポイントやユーザーの特性を分析しました。莫大な初期投資がかかるホテル事業において、人間では処理しきれない量のデータを取り込み、機械学習させることで優位性の発見に役立つ貴重なマーケティング情報が得られました。

    2. 見込み顧客へのナーチャリング

    ある企業では、セミナーへの集客を増やすべく機械学習を取り入れました。ナーチャリングと呼ばれる、商品やサービスの認知から購入に至るまでのプロセスを最適化するマーケティング手法のなかでAIを活用しています。

    実名を把握している参加意欲の高いユーザーだけでなく、まだ参加意欲が高まっていない匿名ユーザーについても、過去のイベント参加情報やダウンロードした資料などのデータをもとにナーチャリングを実施することで、セミナー集客数の増加につなげました。

    3. 見込み顧客へのインセンティブ付与

    ある企業のWebサイトでは、AIによってユーザーの購入意向を読み取り、効果が見込める顧客に対してのみ購入へのインセンティブを提示することで効率的に購入者数をアップさせました。

    従来はサイト管理者の経験・知識をもとにインセンティブを付与していましたが、大きな成果を得られませんでした。AIによる客観的な分析をもとに適切なタイミングでオファーを提示することで、新規購入者数は2割近く上昇する結果となりました。

    4. ビッグデータ分析によるトレンド把握

    あるメディア企業では、ビッグデータを分析することで流行の兆しがあるキーワードをピックアップするシステムを開発しました。事業展開をするうえでトレンドは非常に重要ですが、流行が明確になったタイミングで準備を始めても、商品やサービスが完成したころにはトレンドの勢いが衰えているものです。

    ビッグデータを活用することで、人間には処理しきれない膨大なデータのなかから流行の兆しを発見し、新たな商品・サービス開発のアイデアとして活用できます。

    5. 顧客ニーズ・行動特性の把握

    あるAI開発企業では、ビッグデータの分析により顧客のニーズやライフスタイルを詳細に分析するシステムを開発しました。位置情報などの解析により、対象顧客の行動特性を詳細に把握することで、販売促進や集客などのマーケティング施策の効率化につなげています。

    6. 需要予測の精度向上

    ホームセンター事業を営むある企業では、AIを活用した需要予測システムを開発しました。従来、商品を発注する際には過去の販売データや現在の在庫をもとに担当者の裁量で判断していました。しかし、個人の経験や勘に頼る部分が大きいため、在庫不足による機械損失や在庫過多による倉庫スペースの圧迫などが課題でした。

    AIによって過去の膨大なデータに加え、売上と天気の関係といった補足情報も含めた分析が可能となります。需要予測システムの導入後、ムダな在庫が約2割削減されたことに加え、機械損失が減ったことで売上も約2割伸びる結果となりました。

  • マーケティングに機械学習を活かすためのポイント・方法

    本記事で紹介したとおり、機械学習を活用することでマーケティング戦略の幅が大きく広がります。しかし、ただ機械学習を導入するだけで効果が出るわけではありません。成果を生み出すためのポイントとして「質のよい学習データ」を用いることが挙げられます。

    データの質さえよければ、大量のデータは必要ありません。AIプラットフォームを提供する当社の経験則では、約200パターン程度のデータがあれば十分な機械学習ができると考えています。ビッグデータでなくても質のよい情報をしっかり学習させることで、業務に活用することが可能となります。

    具体的なプロセスとしては、「データの選別」「データのクレンジング」の2つが重要です。

    1. データの選別

    AIの活用においては、どのデータを学習させるかという初期段階の選別が重要です。データに誤りが含まれていたり、目的から逸れたデータを学習させてしまっては、AIによるアウトプットの質が大きく下がるでしょう。

    質のよいデータだけを厳選して用意し、AIに学習させることで目的に合ったアウトプットが得られるようになります。

    2. データのクレンジング

    厳選したデータは、そのままAI学習に使えるわけではありません。前処理としてデータクレンジングを行なう必要があります。

    膨大なデータのなかには、重複や矛盾、データの欠陥が生じている場合もあるでしょう。そのまま学習してしまっては、余計な情報や誤った情報も含めて機械学習してしまい、AIによる分析精度が下がる結果となります。適切なデータクレンジングは、AIの活用に欠かせません。

    上記のとおり、AIをマーケティングに活用するには、データの選別とクレンジングが重要です。そのためには、AIに精通した人材によるデータ整備やプログラム設計が重要となります。

    この点が、多くの企業にとってAI導入はハードルが高いと感じる理由でしょう。AIの専門人材がいないという場合は、プログラミング知識不要でAIの構築が可能な「MatrixFlow」をぜひご検討ください。

    3. プログラミング不要でAIを構築できる「MatrixFlow」を活用して、AIを簡単に構築

    MatrixFlowはプログラミング不要のAI構築プラットフォームです。MatrixFlowのアルゴリズム開発は、処理単位のブロックをドラッグ&ドロップし、つなぐだけで構築できます。

    またデータや作成したアルゴリズムの管理など、AI構築に関わるすべての工程を一元的に管理することが可能です。MatrixFlowの開発スキームは業種・業界をまたいで使用できるうえ、開発を続けることで開発ノウハウがブロック、およびその組み合わせのテンプレートとしてプラットフォーム上に蓄積されていきます。そのため、今後のAI開発においてはさらなる開発の早期化、開発費用の低減が期待できます。

    詳細についてはぜひお問い合わせください。

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