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人権リスクの可視化で人権DD推進をサポートするサービス「coe(声)」に欠かせないAIの構築にMatrixFlowを活用

今回は、株式会社Dropの代表取締役 米田様にインタビューをさせて頂きました。 2023/12/20リリースされた、coeは、米田社長が人権問題の解決に全力で取り組む、その入口として職場ハラスメントの改善を目指すアプリです。 coeは、ご自身が働く上で気になっていることや、周りの人が辛い状況にあることを企業に伝えるサービスです。会社の相談窓口を使うのは怖い、電話での相談はしんどい、本音が言えないという方も、アプリから匿名で、安心してお使いいただけます。

coeには、労働者の声を拾い上げるアプリ coe workerと、企業側の人権リスクを可視化するAI/webサービス coe companyが あります。

実は、このサービスに必要なAIのスピード構築は、MatrixFlowで実現されました。

MatrixFlow導入の経緯、AIベンダー/ノーコードAIツール選定側としての必要知識など、興味深いお話を頂きましたのでご紹介いたします。

取材にご協力いただいた方:
株式会社Drop 代表取締役 米田 真介様

インタビュアー:
株式会社MatrixFlow 営業部 為田 知子

AI の活用を決めた経緯

ーーAI を使っていこうと決めたきっかけは?

私の人生のテーマが人権を守ることです。それを実現するための具体的なサービスを考えた時に、多くのリアルな声の収集と分析が必要だと思いました。
不利益を被る人がいる現在の社会の仕組み自体を変えようと思うと、人力に頼っていては膨大な時間と労力がかかる。
そこで、テクノロジーの力を使おうと決めました。

ーー早い段階で決めたのですね。データについても方針をまとめたと聞きました。そのあたりをお聞かせ下さい。

米田社長:人の声をどんな形で集めるかを検討しました。
まずは、アンケート形式です。アンケート結果を自動で数値化する。
ただし、人権という領域は不確実性が高く、アンケートのスコアだけでは解析が難しいという結論を出しました。無限にある相談のテキストの内容やその人ならではの言葉、ニュアンスを吸い取って数値化をしたい。

余談になりますが、初期で想定したパラメーターが多くありました。
例えば会社でハラスメントを受けている、という相談を受けたとします。関連情報として、会社の業種・今の社会情勢・相談者の年齢や性別など。
人の目では読み取れても、アンケートスコアでは見落としてしまいがちです。
さらには、業界ごとのハラスメントの傾向や、過去の事例と件数も必要かもしれない。

大量の情報は人が処理できないけれど、 AI の処理でスコアリングすると膨大な量でも捌くことができる。捌いた後のある一定の傾向に対して人間が対応しよう、という流れを考えました。

AI の良さは膨大な処理に耐えうるということと、学習して強化していけるということだと思っています。

膨大な情報量とは、先ほどのパラメーターと件数の組み合わせです。
AI にそれらを任せることで、時間と労力が 10 分の 1 になるかもしれない。

AI についての理解はどの程度必要か

ーーすごいですね。構想の段階から見えている方は多くはないと思います。どうしても手前のデータを集める所に集中しがちで。

米田社長:あくまでもデータを集めて分析をすることがゴールではなく、解決策を見出して解決するまでを目指しています。
そのためには、大量の声というデータが必要で、高速に処理する必要もある。
その構想する時にも AI のことをわからないと、一連の流れが明確にならなかったので、AIに関する書籍を3冊読みました。

プロジェクトの進め方、精度についての考え方など整理できたので、ビジネスサイドからの予備知識は必要だと思います。

MatrixFlow導入までの経緯

ーーAIについての本を読まれて、次に実際に複数社と面談をしたのですか?

米田社長:AIの自社開発は検討外だったので、ノーコードAIサービスを3つ検討しました。
重視ポイントは価格と「やりたい事が出来そうか」の 2 つです。価格はMatrixFlowが真ん中だったんですよ。
価格ではもうちょっと安くても嬉しいなと思いましたけど、カスタマーサクセス の方の対応が良かったんですよね。
MatrixFlowの営業とカスタマーサクセス の方が同席されて、どうやったら実現するのかを一緒に考えて提案されました。UIも見やすいし、できそうな雰囲気を感じたので、ここがいいかなと。

ーーありがとうございます。これは一番みんなが喜ぶコメントです。

テンプレートの選択からの操作方法も、簡単だけど覚える時間がないなと言ったら、すぐに「手伝いますよ。」と言ってくれたんです。

何を用意すれば良いかを尋ねると、「データの用意、パラメーターを決めること。これだけやってくれたら、米田さんがやりたいテストはできると思います。」
と言って頂いたので、なんて楽なんだと。仕組みはできていて、カスタマーサクセスが助けてくれてデータ集めるだけで、POCが進む。
スコアがちゃんと表示され、それが解決に導かれるという事自体の確証を得たかったので。
2 ヶ月位でできそうだと思うぐらい。スピードを重視するベンチャーからすると相当ありがたい、開発しなくて良かった。知識とお金と時間を買えた感じですね。

ーーここまでスムーズですが、使っていてご苦労されたところはありますか?

米田社長:ゼロです。何回かエラーは出ましたが、理解したら解決したので。
困った時には質問するとカスタマーサクセスに質問できて、AI構築の部分でも手伝って頂けますし。

AI導入をご検討の方へのアドバイス

ーーこれからAIの導入を検討する方へのアドバイスがあればお願いします。

米田社長:本を読んである程度知っておくことで、選定もスムーズに進みやすいと思います。さらに、導入後も、より使いやすく、本当のサービスの価値を享受でき、CS とのやり取りもスムーズでお互い良い関係になると思います。

ーーMatrixFlowをお勧めされたい方や企業様はいますか?

米田社長:とにかく AI を使ってサービスを素早く作ってみたい方にはいいと思います。事前知識がなくても回せるぐらいのレベル感だなと思っているので。CS のサポートもあればきっと実現できますよ。

合わない方は?

米田社長:AI 使って何かしたい、という思考フローが逆の人。MatrixFlowにあるパッケージ外のことをしたいと思ってる人はコスト感とか作業のペースが合わないかもしれません。

ーー機能のご要望はありますか?

米田社長:思い浮かびません。使い方を決めていたので。機能ではありませんが、個人的に一番助かっているのが、カスタマーサクセスなので、さらに手厚くなると良いかもしれません。御社側としては業務効率化と真逆になるかもしれませんが。

coeの展望、米田社長の思い

ーー新サービスcoeについてお聞かせ下さい。今後の展望や既存事業との関連など。

米田社長:まず、MatrixFlowを使ってcoeが出来上がったことによって会社の事業を、これ一本に絞る決断をしました。今まで展開していたサステナビリティのコンサルティングなどは縮小していくため、整理しています。会社としての大きな決断ですが、スピードを持ってテストができたことが意思決定の上では大きかったです。

今後は、まずは利用者の方を広げていきます。
労働者の方は 6,700万人ぐらいいます。 そのうちの100万人が使ってくれることで、会社側もcoeがあるから問題を是正しないと、と思える社会に繋がるといいなと思っています。
さらにその先には、coeが不要になる世の中を目指しています。

色々な方がスマホの中にお守り代わりにcoeを持っている。いつでも声(coe)が届けられる状況があることで、企業のコミュニケーションも健全になって働く人も心を病むことなく、楽しく生きられる世の中になって欲しいと思ってます。

株式会社Drop
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