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AIの医療領域への活用事例、簡単なモデルの作り方をご紹介

自動翻訳やお掃除ロボットなど、AIはわたしたちの生活の一部になりつつあります。 AIの活用領域は年々広がってきており、近年は医療分野での活用も進んでいます。 かなり繊細で高度な技術が要求される分野のため、どこにAIが活用できるのかイメージできない方も多いかもしれません。 実は、診察データの収集・分析から新薬開発まで、AIでできることは無限大にあるのです。 本記事では、医療分野でAIがどのような役割を担っているのか、実際の導入事例を元に解説します。 また、AIを活用するメリット・デメリットもまとめているため、AIで医療の課題を解決したい方は参考にしてみてください。

  • AIの医療領域への活用事例

    AI(人工知能)とは、人間の脳の働きを機械で再現する仕組みのことをいいます。
    言葉を理解する、考えるといった行動を機械でできるようにしたもの、とも言い換えられるでしょう。
    具体的には、機械にデータを読み込ませる「学習」を行います。
    学習させたデータを元に、「アルゴリズム」と呼ばれる、どのようなルールでアウトプットを出すかを決めます。
    アルゴリズムができたらデータを学習させ、求めるアウトプットが出てくるか調整し、現場に導入するという流れです。
    医療現場にAIが導入されている背景には、医療現場の人手不足が挙げられます。
    医療現場では、症状の診断、治療法、処方する薬など、日々多くの判断が求められます。
    これらの判断を正確に下すには多くの知識と経験が必要なため、医療現場は常に人材が不足しています。
    加えて、現在の医療従事者の業務負担を軽減する狙いもあり、医療にAIが導入され始めているのです。

    AI活用が期待される医療分野とは


    医療現場で、特にAIの活用が期待されているのは4つの分野です。

    ・医療データの収集・活用
    ・医療現場の業務効率化
    ・医療の質の向上
    ・患者の負担軽減と情報提供

    AIは膨大なデータを収集し、それらデータを分析することが得意です。
    人間の記憶容量には限界がありますが、AIなら過去数十年のデータを蓄積することができます。
    複数のデータを組み合わせて何が読み取れるのか、膨大なデータの分析は機械だからこそできる点です。
    また、医療現場のどこに無駄があるのかを発見し、業務効率化を進めることも可能です。
    AIなら一時の業務改善のみならず、業務工程や働く社員が変わっても中長期にわたって業務効率化ができます。
    具体的にどのように活用されているのか、活用事例を見ていきましょう。

    臨床診断への活用

    データの収集・分析が得意という特性を活かし、AIを臨床診断に活用する動きが進んでいます。
    臨床診断とは、簡単にいうと症状を診断して病名を診断することです。
    AIなら、人が見逃してしまいがちなわずかな異常も発見しやすくなるため、初期症状の見落としや診断ミス防止に活用されています。
    さらに、病名や症状のデータを繰り返し学習することで、診断すればするほど精度の向上も見込めます。
    臨床診断は医師の知識や経験に頼る面が大きく、常に人手不足で一人一人の業務負担も大きいです。
    AIが臨床診断に活用できれば、初診はAIに任せ、人が最終的な診断を行うといった形で負担も軽減できます。

    AI搭載ロボットの活用

    外科手術は命に直結するため、医療分野の中でもAI活用があまり進んでいない領域です。
    ですが深刻な医師不足解消のため、AI搭載の機械による外科手術も徐々に増えてきています。
    とはいえ現在導入されているのは、全自動で手術を行うAIではありません。AIが搭載された機械を、人が遠隔操作するタイプです。
    そのため「手術支援ロボット」とも呼ばれており、「ダビンチ」や「ROSA」などが代表例です。
    AIを手術に活用するメリットは、人手不足解消だけではありません。
    より細かく精密な操作ができるため、AIによる手術は切開が最小限で出血量が少ないといわれています。
    手術の痕も目立ちづらく術後の痛みも軽減できる上、スピーディで患者の負担が少ないなどのメリットもあります。

    画像診断への活用

    X線やレントゲン画像を元に診断を行うことを、画像診断といいます。
    画像診断は、AI活用が最も早かった医療分野の1つです。
    外科手術へのAI導入よりもハードルが低く、現在も多くの医療現場で導入されています。
    AIを導入することで、画像の自動撮影、病名の提案、異常箇所の検出などが可能です。
    正常な状態と異常がある状態の画像をAIに学習させることで、異常部分を発見できるようになります。
    これにより、病気の見逃し防止と早期発見、医者の作業削減などのメリットもあります。

    カルテ解析への活用

    カルテといえば紙のカルテが一般的ですが、近年「電子カルテ」の導入が進んでいます。
    「電子カルテ」とは、パソコンやタブレットを使って作成されたカルテのことです。
    紙のカルテは保管場所のスペースコストがかかりますが、電子カルテは保管スペースが必要ありません。
    手書きによる誤読も防止でき、必要な情報をデータベースからいつでも参照できます。
    電子カルテに記載された文字をAIが解析することで、処方箋の作成時間削減や、待ち時間の削減も可能です。

    診療器具への活用

    医療器具自体にAIを取り入れるといった活用方法もあります。具体例としては、自動採血ロボットがあげられます。
    静脈が目視確認できない、注射針がうまく刺さらないなど、採血をやり直した経験がある方も多いのではないでしょうか。
    採血のやり直しには工数がかかる上、失敗が続いた場合、炎症や感染症を引き起こすリスクもあります。
    ですが、AIを搭載した自動採血ロボットならスムーズで高精度な採血が可能です。
    AIが画像認識で血管の位置、太さを正確に識別することで、採血を高確立で成功させることができます。
    一度で採血が成功すれば、医療現場の負担だけでなく患者側の負担軽減も期待できます。

    レセプトの自動作成


    医療現場の業務負担を軽減する取り組みとして、AIによるレセプト自動作成があります。
    レセプトとは、医療費のレシートのようなものです。日本では、健康保険組合といったなんらかの公的医療保険に加入する義務があります。
    公的医療保険に加入していれば、医療費の7割は国が負担してくれます。
    7割の医療費は自動で医療機関に振り込まれるわけではなく、「審査支払機関」に請求する必要があります。
    レセプトは、この7割の負担金額を「審査支払機関」に請求するためのものです。
    レセプトは医療事務のスタッフが作成しますが、1ヶ月で数千件の作成が必要な場合もあり、負担は計り知れません。
    AIなら、レセプトを自動で作成することができ、医療事務スタッフの負担を大幅に軽減できます。
    さらに、レセプトで得られたデータをAIの学習に活用できるため、一石二鳥の取り組みです。

    自動問診システム

    診察までの待ち時間が長すぎて疲れたり、時間がとれなくて病院に行けなかったという経験はないでしょうか。
    こうした問題を解決する方法として、AIによる自動問診システムがあります。
    自動問診では、病院に行かずとも好きな場所からスマホで問診を受けることが可能です。
    この「デジタル問診票」は、待ち時間を短縮できる以外にも様々なメリットがあります。
    デジタル問診票の場合、患者や症状ごとに最適な質問を自動生成することが可能です。
    患者が回答した症状によって次の質問内容を変更できるため、紙の問診票よりも詳しく質問できます。
    さらに、問診結果をAIが医師用語に変換してくれるため、診察前にカルテが8割方完成するのです。
    自動問診システムは患者の待ち時間を減らせる上、医師側の負担も大幅に軽減できます。

    症状診断システム

    上記の自動問診システムと関連し、AIが症状から病名を診断してくれるシステムもあります。
    いくつかの質問に答えるだけで、関連する病気や対処法を提案してくれるのです。
    診断した症状に適切な診療科はどこなのか、近くだとどの病院に行けばいいのかなども調べられます。
    病院に行くかどうか悩む症状の場合や、何科に行けばいいのかわからない場合などに特に有効です。

    新薬の開発

    新薬の開発は平均10年はかかるといわれており、膨大な時間と費用がかかります。
    ですが、新薬開発にAIを導入することで、開発期間の短縮や大幅なコスト削減に繋がる可能性があるのです。
    AIを活用した新薬開発は、「AI創薬」とも呼ばれています。
    AI創薬のメリットは、膨大なデータを組み合わせ、最適な組み合わせを見つけられる点です。
    新薬開発では、薬の標的となる体内のタンパク質を見つけ、新薬候補となる「リード化合物」を見つける流れになります。
    リード化合物とは、身体の特定の調整機能に作用する化合物のことです。
    タンパク質とリード化合物の組み合わせは無限大にあり、人の手で一つ一つ組み合わせていくのはかなりの時間がかかります。
    AIなら、データを元に最適な組み合わせを絞り込めるため、創薬プロセスを大幅に短縮できるのです。
    新薬候補となる分子設計にかかる時間を10分の1に短縮した事例もあり、今後の新薬開発への大きな貢献が期待されています。

  • AIを医療で活用するなら「MatrixFlow」


    医療分野でAIを活用するなら、「MatrixFlow」の導入がおすすめです。
    MatrixFlowは、課題に合わせて自由にAIを構築できるプラットフォームサービスです。
    AIをつくるには通常プログラミングが必須ですが、MatrixFlowはプログラミングなしでつくれます。
    イメージしやすいよう、MatrixFlowでのAI構築の流れを簡単にまとめました。

    1.プロジェクトを作成する
    2.データを取り込む
    3.データの前処理をする
    4.AIの設計図「レシピ」をつくる
    5.AIにデータを学習・結果を確認する

    AIの構築は、MatrixFlowの管理画面上で行います。
    実際のAI構築は手順4で行いますが、先にプロジェクト(ファイル)を作成してデータを取り込みます。
    プロジェクト作成時、「テンプレートを使用してAIを構築する」か「自分でAIを構築する」かを選びます。
    AIが作成できるテンプレートも豊富にあるため、テンプレートからつくることも一から自分で作ることも可能です。
    選択が終わったら、プロジェクトにデータをアップロードします。
    AI構築でデータがそのまま使用できる場合は少なく、「前処理」と呼ばれる工程が必要です。
    前処理は、AIがデータを取り込めるよう形式をそろえたり、データの欠けを補う作業をいいます。
    通常は手作業で地道に前処理を行いますが、MatrixFlowはボタン1つで前処理が可能です。
    前処理が完了したら、いよいよAI構築です。
    テンプレートの場合はAIで何をしたいか選び、処理単位のブロック同士を線でつなぎます。これでAI構築はほとんど終わりました。
    最後にテストデータを取り込んで「学習を実行する」をクリックし、出力された結果を確認します。
    想定通りの結果が出た場合は成功、ズレがある場合は調整を繰り返します。
    以上がAI構築・導入までの流れです。詳しくはぜひお問い合わせください。

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