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「品質改善」AI活用 事例7選、製造業・工場のAIカイゼンをご紹介

近年では、製造業に限らず様々な分野でAI技術が活用されるようになりました。 しかしながら、AIの導入はAI開発者の現場知識(ドメイン知識)が不足していることにより、実運用には至ってないプロジェクトが数多くあると言われています。 また、製造プロセスは複雑化している傾向にあり、人手不足やコスト不足で悩む企業が数多く見受けられます。 数年前に取られていたアプローチは既に通用しなくなっている場面も増えていると言っても過言ではないでしょう。 このような問題に対しては、AI技術を活用した製造品質改善が注目されています。 本記事では、実際の企業での導入事例を交えて、品質改善に取り組む施策について詳しく解説していきます。

  • 製造業における「品質」とは

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    品質改善を考えるにあたっては、そもそも「品質が何を意味するのか?」をきちんと捉えることが大切です。
    製造業の現場では次の2つの観点から「品質」というキーワードを考えることが求められます。

    1.設計品質
    2.製造品質(適合品質)

    それぞれについて詳しく解説していきます。

    1.設計品質
    消費者のニーズや顧客要件を仕様書に落とし込み、魅力的な製品を実現することです。ねらい品質とも呼ばれます。
    設計品質は設計技術だけでなく、作りやすさやコストなども考慮して仕様書を作成する必要があります。
    設計図や製品仕様書に記載される性能や規格値など、具体的な数値として扱う項目も設計品質の一つと言えるでしょう。

    2.製造品質(適合品質)
    不良品を発生させない、また仮に不良品が発生してしまっても不良品を流通させないようにすることです。できばえ品質とも呼ばれます。
    最も重要な点は、顧客に提供されるのは製造品質であるということです。
    設計図で定めた通りの仕上がりになっている状態が、製造品質の高い状態であると言えます。

  • 「設計品質」を改善する4つの施策

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    上記で紹介した品質をより高レベルで保つため、主に以下の4つの施策が取られています。

    ・安全性に対する配慮
    ・耐久性など要件を満たす材料選定
    ・生産効率を視野に入れた設計
    ・製造要件を見越した設計

    ここからはそれぞれの施策について解説していきます。

    安全性に対する配慮

    法令で定められた基準を満たすことはもちろん、それを上回る取り組みが必要です。
    例えば、消費者への安全に関する説明や情報提供を、より正確で、理解しやすいように、設計段階から配慮するといった取り組みが考えられます。
    ユーザーが快適に利用できるだけでなく、安全性も考慮した施策が必要です。

    耐久性など要件を満たす材料選定

    求められる安全基準を満たしていることはもちろん、より長期的に利用できることも重要です。
    例えば、材料の劣化・摩耗・腐食などに対して設計段階での工夫が必要です。
    メンテナンスコストや耐久性に優れた材料の選定が必要です。

    生産効率を視野に入れた設計

    生産工程におけるロスや無駄を排除することです。
    例えば、データの見える化や管理システムや業務効率化ツールの導入も考えられます。
    作業員がより集中できるように考慮した設計を行うことが必要です。

    製造要件を見越した設計

    製造段階で求められる要件を設計段階から考慮し、曖昧さを排除する取り組みです。
    あらかじめ製品の品質改善点を洗い出しておくなど、常に次の改善プロセスを想定した設計が重要な意味を持ちます。

  • AIを用いて製造品質をカイゼンできる領域

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    設計品質の改善では、100%良品で顧客に提供するという考え方が求められます。
    人の手では限界があった分野もAIシステムを導入することで、改善する領域があります。
    具体的には、次の5つの観点に基づいた施策が挙げられます。

    ・自動化/標準化で不良率を改善
    ・異常検知~予知保全による改善
    ・ポカヨケ施策の強化
    ・検品工程の強化(検査精度の向上)
    ・仕掛り在庫を極力減らす

    それぞれについて詳しく解説していきます。

    自動化/標準化で不良率を改善

    製造工程を自動化することで、ヒューマンエラーの発生を最小化する取り組みです。
    不良率は、原価への影響はもちろん、クレームにもつながる要素なので普段の業務で意識する数値の一つですが、不良率を始めとする指標の改善が期待できます。

    異常検知~予知保全による改善

    リアルタイムで生産機械を検査する取り組みです。
    製造品だけでなく、生産機械の状態もAIを活用することでチェック、メンテナンスを行うことができます。
    したがって、機械の故障が発生する前に予測を行えることが期待できます。

    ポカヨケ施策の強化

    不良混入防止だけではなく、不良品の発生原因を調査することができます。
    AIによる監視を導入することで、仮に不良品が発生した際にも得られたデータから原因を予測することができます。
    したがって、発生防止だけでなく、発生時点の対策に重点を置いた対策も期待できます。

    検品工程の強化(検査精度の向上)

    検品工程について、熟練者の能力だけに頼るのではなく、AIを活用することで検査制度の向上が期待できます。
    良品・不良品の判断基準を学習させたAIを活用し、人間の目では判別できなかった傷の発生や形の違いを早く正確にチェックすることが可能です。

    仕掛り在庫を極力減らす

    時間当たりの出来高数が一番小さい工程である、ネック工程を減らすために、需要予測を活用した生産計画を立てることも期待できます。
    AIを活用することで、機械の稼働状況をまとめて管理し、各工程における無駄を可能な限り減らすことが可能です。

  • AIを活用した品質管理 事例7選

    今後、AIの導入によって品質管理の自動検査化を検討しているのであれば、事前にどのような活用事例があるのかも知っておきましょう。
    ここでは、品質管理にAIを活用した事例7つをご紹介します。

    事例①:工業用ゴム製品メーカーB社の事例

    工業用ゴム製品メーカーB社は、品質チェック工程の省人化のために検査機導入を検討したものの、十分な精度を出せずに導入には至りませんでした。
    そうした事情から、検査員による全件目視検査を実施せざるを得ない状況だったといいます。
    検査対象の製品は10万個/日、検査員は最大20名/日であり、1人あたり5,000個/日の検査を行う必要があります。
    そこでB社はAIを導入することで、以下の4つの改善効果を得ることができました。
    ・人による目視検査の削減
    ・検査品質の標準化
    ・画像による画像データの蓄積
    ・人による過検知率(オーバーキルの割合)との数値比較が可能
    不良率が1日あたり5,000個/100,000個(最大5%)であることから、最大19名の検査員のコスト削減に成功しました。

    事例②:生活用家電の製造・販売のA社の事例

    生活用品や家電製品を企画、製造、販売するA社は、2018年に自動化ラインを備えた工場を稼働しました。
    実負荷試験(エイジング)、絶縁耐圧や照度といった検査をライン上で行うことができます。
    LED照明生産ラインにはロボットを活用しているため、基板実装から製品の梱包を一貫して無人で行えるので、高品質な製品の安定供給が可能です。
    また、同工場では物流の拠点としての役割もあり、無人搬送車(AGV)の活用によって効率的な生産を実現しています。
    同社の国内工場では、51,876パレットと最大の収容能力を備えた自動倉庫も併設されていて、人口が密集する首都圏を中心とした地域の需要に対応することも特徴です。

    事例③:包装容器の製造メーカーN社の事例

    段ボール・紙といった包装容器の製造メーカーであるN社では、受注生産方式の生産による製造で短納期を希望するお客様が多く、少しの設備トラブルでも納期遅れに直結していました。
    従来、設備点検は熟練技術者による点検で支えられていましたが、点検業務が属人化していたために、自動管理システムを構築する必要があったのです。
    また、システム構築では将来にわたって外部からの不正侵入を防ぐためのネットワークが不可欠でした。
    生産設備の主要機器にセンサーを取り付けて状況を可視化し、セキュリティが担保されたネットワークを構築することで、機器の異常を自動で検出するシステムを構築できるようになりました。
    無駄なアイドリングも可視化されたので、電気代も削減できています。

    事例④:旅客機鉄道のN社の事例

    N社では、新幹線の走行音から異常を知らせるAIシステムを活用しています。
    このAIシステムでは、線路の近くに設置したマイクが新幹線の走行音を記録し、AIシステムへと送信しています。
    そこで過去の正常な走行音を学習したAIによって判別が行われ、AIが異常を検知した場合は指令所へと通知が行われるという仕組みになっています。
    事例⑤:大手鉄鋼メーカーJ社の事例
    大手鋼鉄メーカーであるJ社の事例では、安全管理業務にAIが活用されています。同社では近年経験の浅い製鉄所作業員が増加したことにより、以前よりも安全確保を優先する必要性が発生していました。
    そのため、作業員が立ち入り禁止エリアに入った場合カメラが作業員を認識し、警告を発します。
    そして、自動的に製造ラインを停止するというAIを活用した安全管理システムを実用化しました。

    事例⑥:大手自動車メーカーA社の事例

    A社では、プレス工場での自動車部品のひび割れ検査にAIを活用しています。
    これまでの同社のプレス工場では目視のチェックや画像ソフトを使った2段階の検査を行っていましたが、効率が良くありませんでした。
    そのため、AIにサンプルとして大量のひび割れ画像を学習させ、ひび割れを自動検知できるシステムの開発を行い、数秒で検査が完了できるようになりました。

    事例⑦:飲料メーカーS社の事例

    飲料品は季節や消費者動向などによって売れ行きが左右されるため、柔軟な生産計画を立てる必要があります。
    S社ではこれまで経験のある社員が生産計画の立案や変更を行っていましたが、全体最適での生産計画の立案はできていませんでした。
    そこで欠品、品薄、過剰などの在庫状況をAIが自動抽出し、タイムリーに生産計画を立案、変更するシステムを開発、導入しました。
    このシステムにより、サントリーでは生産計画の変更に掛かる時間を大幅に削減することに成功しました。

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