HRのDXを実現するための、AIによる退職予測のやり方・実例を紹介
ヒト・モノ・カネという言葉に代表されるように、企業にとって人は最重要な資源です。 組織は人で成り立っている以上、働く仲間が重要であることはいうまでもありません。 加えて、今後日本の人口減少は間違いなく加速するともいわれています。 つまり、企業にとってこれまで以上に優秀な人材の確保が重要になるということです。 優秀な人材確保にあたり、採用の強化と同時に重要なのが退職防止です。 退職は仕方がないと思われるかもしれませんが、もしも事前に退職しそうな人がわかるとしたらどうでしょうか。 実は、AIを活用すれば退職しそうな人を発見し、事前にフォローすることができるのです。 どのようにしてAIで退職を予測するのか、退職予測をするメリットを解説していきます。

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企業人事・HR領域における退職予測の重要性
AIによる退職予測を考える前に、これから日本の採用領域でどのような問題が起きるのか考える必要があります。
そのために、今後の日本の人口推移について簡単に解説していきます。日本の人口は大きく減少する
戦後、日本の人口は右肩上がりに増加していました。
戦争が終わり出征していた男性が帰国したことで、子作りが一気に加速したからです。
1940年代後半に起きた出世率の急激な増加を、第1次ベビーブームと呼びます。
第1次ベビーブームで生まれたたくさんの子どもたちが成長し、子どもを産んだのが1970年代の第2次ベビーブームです。
こうして日本の人口は、生まれた子どもたちが大きくなり、また子どもを産むことで増えてきました。
この勢いが止まったのが2000年代です。
恋愛結婚がお見合い結婚の数を抜き、結婚しないという選択肢をとる人が増えたことで、結婚率・出生率は減少に転じました。
生まれる子どもの数が減っているということは、今後日本の人口が減ることは間違いないといえます。働き手の割合は過去最低
今後日本の人口が減ることはほぼ間違いないことから、企業における人材確保の重要性がおわかりいただけたと思います。
人口減少に加えて考えなければならないのが、働き手の人口割合です。
現在、生産年齢と呼ばれる15〜64歳の人口は、日本の全人口の約6割といわれています。
実はこの数字、国土交通省が統計を取り始めた1950年以降で過去最低の数字です。
少子高齢化といわれる通り、日本の人口に占める高齢者の割合は年々増加しています。
人口減少とあいまって、働き手の母数自体が年々減少しているのです。
そのため、新規入社社員の獲得はもちろん、既存社員をいかにして繋ぎ止めるかも企業にとって重要なのです。 -
HRでAIを活用し退職予測を行うメリット
人口と働き手が減少している日本において、今働いている社員を確保することが急務であるとわかりました。
それでは、退職を防止することは、企業にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。
退職予測・退職防止を行うメリットを、大きく4つに分けて解説していきます。・採用コストの損失を防げる
・優秀な人材の流出を防げる
・適切なフォローでパフォーマンス向上が見込める
・職場環境の課題を発見できる採用コストの損失を防げる
まず第1に、採用コストの損失を防げる点が挙げられます。当たり前ですが、1人採用するにも様々なコストが発生しています。
求人広告や採用エージェントを介して採用する場合、広告費や仲介手数料がかかります。
求人広告は掲載し続けている限りコストが発生しますし、エージェントを使った採用は1人につき数十万円〜数百万円が相場です。
こうした外部に支払うコストに加え、採用に関わる社内の人件費も採用コストの一部です。
採用後の入社手続きや教育の時間、懇親会、採用者の引越し費用など、挙げ出すとキリがありません。
ですが、1人採用するにもこれほどの採用コストがかかっているのです。
新卒、中途、アルバイトなど雇用形態によって採用コストは変わりますが、1人につき50万円〜100万円はかかるといわれています。
退職を防ぐということは、こうした採用にかかったコストを無駄にしないことにもつながります。優秀な人材の流出を防げる
退職予測のメリット第2は、優秀な人材の流出を防げる点です。
苦労して獲得した人材や、時間をかけて育てた優秀な人材が退職することほど、企業にとって大きな損失はありません。
採用にかけたコストもさることながら、優秀な人材が発揮する成果やパフォーマンスも失われることになります。
例えば営業職の場合、トップセールスの退職は企業の売上に直結します。
単純に売上が下がるだけでなく、トップセールスのノウハウが失われることで、第2・第3のトップセールス誕生の機会も失われるのです。
そのため優秀な人材の流出を防ぐことは、将来的な利益を守る観点でも退職予測のメリットになります。適切なフォローでパフォーマンス向上が見込める
退職予測の第3のメリットは、社員のパフォーマンス向上が見込める点です。
退職を考えているということは、社員のパフォーマンスが最大限発揮されていない可能性が高いです。
1on1などで面談を行い、退職を検討している原因に対して適切なアプローチができれば、社員のモチベーションやパフォーマンスを上げられるかもしれません。
マイナスの状態をゼロに戻すだけでなく、プラスの状態に持っていける可能性がある点も、退職予測のメリットといえます。職場環境の課題を発見できる
退職の防止にばかり目が行きがちですが、人は理由なく退職することは滅多にありません。
退職を考えるには、何かしらの原因や理由が必ずあります。
退職理由を正直に伝えてくれる場合もありますが、引き止められたくない、円満に退職したいといった理由から本当の理由を告げてくれないことも多いです。
退職理由がわからないままだと、退職につながる要因が放置され続け、新たな退職者を生む可能性もあります。
ですが、退職予測が可能になればこうした課題も解決できます。
退職しそうな人を発見できるということは、退職につながる要因も見つけられるということです。
残業時間、業務内容、人間関係、給与など、何が退職を招いているか発見できれば、さらに上流工程で対策がとれます。
退職を招く職場環境を改善できれば、さらに働きやすい環境も実現できます。 -
AIを使った人事・退職予測方法
それでは、AIを使った退職予測とはどのように行われるのでしょうか。
AIが退職予測を出すには、対象者のパーソナルデータの他、勤怠状況や評価履歴など様々なデータを元に算出します。
一例として、AIの退職予測算出に使われるデータをご紹介します。・出退勤時間・残業時間
・早退・欠勤の有無
・打刻漏れの有無
・有給休暇の取得状況
・給与履歴
・異動履歴
・評価履歴打刻漏れの有無などかなり細かな項目も入っており、驚かれたのではないでしょうか。
AIを使った退職予測では、勤怠・給与・異動といった数百〜数千の項目を組み合わせて退職リスクを計算します。
過去の人事・勤怠状況から現在までのデータをAIが学習するため、ここ数ヶ月で変わった行動データなども発見可能です。
例えば、今まで1時間残業していた人が急に定時に退勤するようになった場合、退職の可能性が考えられます。
また、同じ部署の社員と比べた違いや、過去に退職した人の傾向と照らし合わせて総合的な判断もできます。
このように、人事や勤怠データをAIに学習させることで、退職予測を割り出すことができるのです。 -
HRのDX化を推進!退職予測ができるAIプラットフォーム「MatrixFlow」
これからの企業に不可欠ともいえるAIの退職予測。
具体的にどのようなAIを使えばいいのか、どのくらい工数とデータが必要なのかが気になるところでしょう。
退職予測ができるAIサービスの一例として、MatrixFlowをご紹介します。
MatrixFlowは、企業課題を解決するAIを提供しているプラットフォームです。
人事・採用領域では「HR Flow」というサービスを提供しています。HR Flowの特徴は、AIに関する知識や経験がゼロでもAIを構築できる点です。
通常AIの構築にはプログラミングの知識や経験が必要ですが、HR Flowではそうした経験は不要です。
ボタンやマウスの操作でプログラミングできるようになっており、操作方法がわかれば誰でもAIを構築できます。
AIに学習させるデータの加工・修正もHR Flow上で簡単にできるため、少ない人数でもAIを使った退職予測が可能です。
HR Flowのサービス内容については、こちらで詳しく解説しています。 -
AIで退職予測をする方法まとめ
・今後人口減少が加速する日本において、採用と同時に退職防止が重要になる
・退職防止は採用コストの損失回避だけでなく、社員の生産性向上や職場環境改善といったメリットもある
・AIを活用すれば退職予測をすることができる
・AIで退職予測をするならMatrixFlowがおすすめ日本の人口推移を元に、企業における退職防止の重要性を解説しました。
今後日本の人口は確実に減少していく上、高齢化が進むことで働き手の人口自体が減っていきます。
そのため、企業は採用に力を入れるだけでなく、退職者を出さないよう予防することも必要です。
退職防止の対策の1つとして挙げられるのが、AIを活用した退職予測です。
勤怠データや過去の退職者のデータをAIが学習することで、数ヶ月以内に退職の可能性がある人材を抽出できます。
AIで退職予測をするなら、AI活用プラットフォームのMatrixFlowがおすすめです。
MatrixFlowを使えば、プログラミングの知識や経験不要で退職予測ができるAIを構築できます。
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ビジネスのためのAI活用プラットフォームMatrixFlowについての詳細はこちら
MatrixFlowの製品情報ページ -
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